1999 ペルカルロ サン・ジュスト・ア・レンテンナーノ

2009/12/23
PERCARLO SAN GIUSTO A RENTENNANO
初日
7年前にちょっとだけ飲んだ99ペルカルロ。さて、どのように熟成しているでしょうか。
長ーい良質のコルク。ほとんど染みておらず、状態は良さそう。
外観はムラサキを帯びた濃い目のルビー。ふちの方は透明感があって、美しい。粘性も高い。
香りはバニラアイスのような、ハイトーンな香りを最初に感じ、ボルドーのかなり上の方のワインを思わせる、近寄り難いほどの高貴なカシスの香りがあり、すぐに目の詰まったベルベットを思わせる柔らかな果実味がどわっと立ち現れる。暖かい赤〜黒系の果実香。発散系ではありません。吸い込まれるようなブラックホールのような香りの出方です。
味わいはキャンティ地区のサンジョベーゼらしい高い酸がしっかりとあり、そこに充実した果実味が充満する。余韻には旨みたっぷりの”こしあん”のような、キャラメルっぽい甘さが残ります。これは美味いです。軽やかに美味しい。
なるほどサンジョベーゼのテッペンのワインという感じですね。中味は完成度の高いサンジョベーゼ、そこにボルドーっぽい高貴なモダンさを加えたような、そんな全体像だと思います。ラジョイアの果実味を2倍に凝縮し、モダンな樽香を加えたという感じかもしれません。ただ、アヴィニョネージのようなシルキーさからは遠く、シンポジオのような多面性にも及ばず、はっきり言うと心奪われる魅惑的なタイプのワインではありません。そういう意味では、非常に貴族的というか、ボルドーなイメージのワインです。
2日目
冷たいニュアンスが消えて、力強くたくましいワインに収束。初日の印象そのままに、さらにバランスが良くなって完成度が上がった感じです。温度が上がると味わい後半に黒オリーブのような心地よい苦味を感じます。

7年前と比較して、それほど印象が変わっていないのにも驚きです。いったいどれほどの熟成能力があるのでしょうか。逆にいえば、非常に飲み頃が長いワインという気もします。20年ぐらい熟成させたペルカルロを試してみたいものです。


1999 PERCARLO SAN GIUSTO A RENTENNANO
神戸のKにて7500円で購入。