2002/9/23 ワイン会@大阪の某レストラン


2000 キャンティ・クラシコ "アンナータ" ポッジョ・アル・ソーレ


かなり薄い色。香りも軽いチェリーとかラズベリーで思わず「ピノ?ボジョレー?」。でも単にすっぱいで 終わるのではなく、丸い口あたりで、ほんのり甘くてスイスイ飲める。こんなに軽い作りなのにモダン な雰囲気を感じさせてくれるキャンティは初めてかも。
でもライトボディのワインには出せても1000円台前半って所かなー。2000円台だったらもう ちょっと飲み応えのあるものを期待してしまう。これは最高級ライトボディワイン?


1999 キャンティ・クラシコ "ドン・トッマーゾ" ファットリア・レ・コルティ

透明感のあるきれいなルビー色。パンチの効いた甘い香り。味にもコクがあって素直においしい。もうちょっとキャンティらしい トンガッたタンニンがあってもいいのに、と思うぐらいにスムーズな余韻が続く。こちらも丸くて甘くてわかりやすいワイン。
これが今日のベストバリューワイン。何本か買って寝かせてみたい。


2000 プロミス カマルカンダ ガイア

濃くて赤の強いルビー色。閉じ気味と思うが、メルロ主体とは思えない軽い香り。揮発性こそ感じるものの、 味わいも意外と軽い。しかも丸さがあるため、無意識のうちにスイスイ飲んでしまう。
うーん、どうなんでしょ。ワインに付いてくるストーリーがいろいろあるだけに、ワインはホントに普通なのね、 というちょっと肩すかしを喰らったような感じの1本。


2000 ル・クーポレ・ディ・トリノーロ テヌータ・ディ・トリノーロ

ジュースのように透明感があって「赤い」色。フラン主体のワインだが、なぜか香りはサンジョベーゼに近い ものを感じる。鼻の奥にチクチクくるザラッとした香り。味はこれまた非常に丸く、口のなかでフワッとやさしく広がる。 これはトスカーナの赤ではこれまで経験したことのない感じ。口の全体がひとつの味に包まれるような。 そしてそれはざくろジュースのように甘い。余韻はちょっとシンプル。
たしかに今飲んでもそれなりにおいしいが、数年置いておくと何か違った一面を見せてくれるような気がする。 現時点で6000円は高いと思うが、将来の未知なる可能性に賭ける価値は十分にあると見た。(でも買わないかなー)

2000 グイダルベルト テヌータ・サン・グイド

透明感のある薄めのルビー色。閉じていてあまりワインのキャラクターをつかめない。これだけ閉じていても、 甘いぶどうジュースのようで親しみやすく、スルスル飲める。ひっかかるタンニンなどどこにもない。バリック のキツイ樽香もどこにもない。あるのはジュースのような果実味とたっぷりとした酸だけ。これはある意味で「罪」 なんじゃないかな。作り手の。早く開けてしまっても、「ま、おいしいからいいか」か「若くてもすでにおいしい」 で終わってしまう可能性が高い。
もっと先に何かが待っていると信じたい。現在のシンプルな味わいだけを楽しむのに8000円は高い。高すぎる。

1996 1998 1999 ペルカルロ サン・ジュスト・ア・レンテンナーノ

驚きのペルカルロ垂直試飲。

1996:照りのある美しいルビー色。香りはまさにバニラアイス!ミルキーで清涼感があって、ほんのりバニラの香り。 非常に個性的な香りだが、これはこれでおもしろい。酸が高く、ギュイな味わい。サッシカイアを思い出す。今後ど のように熟成していくか全然想像できないが、この先にまだ可能性がある、と思わせる何かがある。

1998:96と似た外観。こちらは非常に閉じている印象。ポテンシャルがまったく想像できない。96よりもさらに酸が 強く、すっぱいと感じるほど。今飲むのはとてももったいない。5年後、できれば10年後に会いましょうというワイン。

1999:前の2本よりやや黒みがあって濃い色。香りはキャラメル。閉じていると思う。味はキャラメル風味の濃縮ぶどう ジュースという感じ。これまた酸が強く、ほんとにジュースな感じ。よくボルドーのトップクラスのワインで「10年 以内に飲んだら、ただのぶどうジュースにすぎない」みたいな文章を見かけるが、まさにそんな感じ。今の時点で飲んで 「これはこれでおいしい」と言ってしまうのは、もったいなくて共感できない。
ま、それでもこれは本日のリストの中で、もっとも将来性を感じたワインでしたがね。

初めて飲んだペルカルロは、総じて非常に上品でモダンなワインという気がした。貴族的というか、非庶民的というか。 瓶詰めしてすぐに飲めるワインなんか造らないよ、と言っているような、そんな感じ。


1998 ロッソ・ディ・セーラ ポッジョピアーノ

これは参加者の1人の持ち込みワイン。ありがたいことです。
外観は今日のリストの中で最も濃い、黒の入ったルビー。甘くて、なおかつスモーキーな香り。リッジのジンファンデル を思い出す。口あたりは非常にやわらかく、酸が低い。凹凸がなく、シンプルな感じもするが、濃くて単純においしい。 ブレンドされたコロリーノの個性に由来するのか、あまり経験のない香りと味のバランスで、カリフォルニアを連想させる わかりやすいおいしさがある。ただし熟成の可能性はまったく予測不能。

1997 プーロ・サングエ リヴェルナーノ

透明感のあるきれいなルビー。縁の方はわずかに薄くなってきていて、熟成を感じる。香りはチェリーやラズベリーの 整った甘い香り。上のワインと順序が逆の方がよかったかもしれないが、こちらのワインの洗練度を余計に感じる。 味わいもスムーズで心地よく甘く、やさしい。飲み頃にさしかかってきている印象。
親しみやすく、こじんまりしたバランスを感じて好感が持てる。単純な濃さやアルコールに頼らない余韻のエレガントさ がすばらしい。現時点での、という条件付きで本日のベスト。
(兄所有の95を飲んでみたいな)

1999 チンチナート テヌータ・ディ・トリノーロ

薄くて透明感があり、オレンジやピンクっぽさすら感じる赤い色。グラスに注いだ瞬間にライチ、ざくろ、砂糖菓子のような 甘い香りが、ものすごい揮発感と共にあたり一面に発散する。思わず「すごい」「なんじゃこりゃ」を連発。
外観と香りだけでワインを想像せよと問われたら、アルザスのピノとゲヴュルツのブレンドとか答えるかも。 粘性もすごい。これはただごとではない。
味も香りの印象をそのまま引き継いでほんのり甘い。イチゴかチェリーのリキュール。
アルコール感が非常に高く、これは息の長そうなワイン。いったいどういう熟成をするのか。人をびっくりさせるという 意味ではこれ以上考えられないようなキャラのワイン。ただし、これが数万円ですって言われたら買わないけどね。


メモ
レア・トスカーナのオンパレード。しっかりした食事もついて5000円ぽっきり。安すぎます。
全体的な感想としては、2本のキャンティを除けば、いずれも長期の瓶熟が可能そうなエレガントなワインが揃った という気がした。思ったより(いい意味で)露骨なおいしさを狙ったワインが少なかった。今飲んで ワインの全体像が見えた(ような気になった)のは98ロッソ・ディ・セーラと97プーロ・サングエぐらい。 他のワインは今開けるのはまだまだもったいないと感じた。

ともかく話題のワインを一気に楽しむいい機会でした。会の雰囲気も楽しめたし、大満足の一夜でした。 皆様、またよろしくお願いします。