2001 リンシエメ シルヴィオ・グラッソ

2008/1/16
L'INSIEME SILVIO GRASSO
初日
黒みの強いルビー。モダン・バルベーラな外観。香りは黒系ベリーのバルベーラっぽい香りにミントのようなカベルネ風の香りが混じって、おもしろい。甘い香りながら適切な酸のために平坦にならず、香りに立体感があるのがこの造り手らしい懐の深さ。
味わいはモダンに甘い果実味が、きめ細かい粉っぽい餡子風のタンニンと共に、おいしさとなって現れる。いつか少しだけ飲んだガッブロみたい。カベルネ+バリックのニュアンスなんですかね。余韻はサラサラと軽やかで、ベッタリと重くならずに軽快な仕上がり。
モダンなバルベーラ、例えばヴィエッティあたりのおいしさを思い出しますが、それだけにとどまらず、多品種の混醸を生かしてバルベーラ種単一では成し得ない多面的な甘い香りと味わいが備わっている感じ。このワインにしか到達しえない華やかな世界だと思います。大感動する方向のワインではありませんが、飲んでいる人を幸せな気分にする。このワインへの支払いが世界中の農家の救済事業に使われていくと思えば、気持ちよく楽しみの多いワインですね。
2日目
モダンな新樽の香りとカベルネ、バルベーラの気品高い香りが融合して、ひたすたに明るくおいしいワインに収束。伝統うんぬんではなくて、楽しいおいしさにフォーカスしていて、いい気分になるワインです。トータルで考えれば、やはり同じ造り手であれば、こちらのバローロの方がずっと上のワインだとは思いますが・・・


2001 L'INSIEME VINO ROSSO DA TAVOLA SILVIO GRASSO
東京のSにて8000円で購入