2000 バローロ "ランドレ" シルヴィオ・グラッソ

2007/8/15
L'ANDRE SILVIO GRASSO
初日
透明感のある明るい赤系のルビー。ふちの方は少しガーネットでキレイなグラデーション。細い脚。粘性高い。
香りはピノ?っていうぐらいの赤系ベリーのハイトーンな香り。ピュアなイチゴやチェリーの香りに、ゴムっぽさが加わって、こちらのジャドのブルゴーニュとかに非常に近い香り。
味わいは高い酸と非常に細身の果実味。余韻においしいタンニン。「閉じているブルゴーニュ」以外の何物でもない雰囲気。こんなバローロは初めてだが、これは開けばきっとおいしいワイン。
2日目
香りがグッと濃くなって、完熟イチゴや少しキャラメル、キメの細かいスパイスなどの香りが美しく立ち昇る。昨日と全然違って、なまめかしく素晴らしい香り。まるで上質のブルゴーニュのよう。前に飲んだここの造り手の97バローロに最も近い、魅惑の香り。味わいにもやわらかい立体感が出てきて、控えめながら充実した果実味が感じられ、余韻には非常に精緻な酸とタンニンが効いている。最後までキュートにフォーカスの合った甘い余韻。
これは素晴らしいワインですね。過去に出会ったバローロでも1、2を争う出来栄え。もう少し時間が経てばこちらの97バローロのように花開くと思います。バランスのとれたエレガントなワインで、ストックのもう1本を次に開ける機会が非常に楽しみ。

2011/7/31

初日
4年前に開けたときには閉じていたこのワイン、さて、どうなっているでしょうか。
香りは最初は大人しい香り。まだ眠っているのか?という様子。ただ、4年前と違って、軽い香りがせずにジッと重たく潜んでいるような雰囲気。
味わいは透明感の中に密度のある果実味、そして充実したアルコール感が迫る。余韻が長いですね。旨みが続くと共に鼻から抜けるような優雅な香り。 これは明日以降に期待。
2日目
香りの出かたが全然違う!大きく悠然と開く、妖艶な香り。シナモン、ドライフラワー。ぐっと目の詰まった紅茶。低音と高音が多層的に響きあう、 シフの弾くベーゼンドルファーのような世界。
味わいは、フワッと果実味が広がって、軽やかさと力強さを兼ね備えた味わい。最高のネッビオーロならでは。果実味とタンニンの粒子が非常に 細かく、しかし、熟成したピノ的に完全に融合するような全体像ではなくて、とても多面的で多層的。こうもバランスよく高みに達すると、 分析的に飲めなくなる。
余韻もしんみりと、とても長い。バリックを使わずとも決して古臭くなく、造り手の個性はぶどうの質が決めるという気がします。
バルバレスコ協同組合の古典的な方向のリゼルヴァに近い味わいだと思います。ラバヤあたりでしょうか。 本当にこれは素晴らしいワインです。

2000 BAROLO "L'ANDRE" SILVIO GRASSO
東京のSにて6800円で購入