1997 バローロ "ブリッコ・ルチアーニ" シルヴィオ・グラッソ

2005/9/10
BAROLO "BRICCO LUCIANI" SILVIO GRASSO
紫がかった照りのあるルビー。ツヤがあってクリアで美しい外観。香りは硬質で密度感のあるブラックベリー系の香りが鼻の奥の方にピシピシと突き刺さる。カシスとか。グラスに注いですぐにやわらかく立体的に香る。さらに香りの渦に鼻を突っ込むと、バニラ、シナモンのようなオリエンタルスパイスの香りがたくさん。これはすばらしい香り。最近出会った赤ワインで香りがこれほど立体的で多面的なワインはちょっと思い出せない。
味わいは、サラッと口の中に広がるやさしい甘さ。香りの密度からするとびっくりするぐらいに軽くてあっさりとした口あたりですが、舌の上に残る超微粒子のタンニンがゆっくりとおいしさを伝えてくれる。濃い赤ワインだけがおいしいワインではないということを思い知らされる。
余韻もすばらしい。優雅なアルコール感があってリキュールのように焦点の合った甘い果実味が長い余韻となって残る。
これはすばらしいワインですね。97のバーヴァに似たネッビオーロらしい強さとしなやかさを備えていて、香りから余韻まで立体感があるワイン。これまで飲んだ最高のネッビオーロかもしれない。97の赤で焼けたような甘い果実味を感じ取るたびに、それはヴィンテージの特徴のように思っていましたが、このワインのように完璧とも思えるバランスを備えたワインもあるということですね。


メモ
1997 BAROLO "BRICCO LUCIANI" SILVIO GRASSO
兄よりゴチワイン。アルバ?にて60,000リラ(約3600円)で購入。