1985 ドン・ペリニョン モエ・エ・シャンドン

2007/3/3
DON PERIGNON MOET ET CHANDON
外観は透明感と照りのあるイエローゴールド。グラスに注いだ直後に細かい泡が液面に漂う程度で、注ぎ終わった後はほとんどまったく泡が出てこない。純金のような赤さが少し。
香りは最初は大人しい感じだったが、それはおそらく20年以上もの眠りから醒めるまでの、まるでワインの”ためらい”のような時間で、すぐにバニラや金柑、カスタード、カカオ、生チョコなどの香りがモクモクと湧き出す。甘さのない、ヴァンホーテンのココアのような香りが特徴的。このキャンティみたいな、業務用板チョコの香りが面白い。キャラメルや八角などのオリエンタルな香りもして、香りだけでものすごい世界に連れていかれる。
口に含むと舌先に発泡性を感じて、あぁやはりシャンパーニュなんだなと。上質のシェリーのような、ドライでほろ苦い余韻。もちろん葡萄酒として甘さはあるものの、ズシリと重い味わいはほんとにシェリー。余韻にも腰の重い充実感があって、存在感がすごい。イタリアのこちらのワインを思い出したりもしますね。
時間が経つと、ますますカカオ的な香りが優勢になってきて、味わいもシェリー風に。冷蔵庫温度でスタートして、その温度のままで楽しんでいるにもかかわらず、冷たさを感じないで香りが開いていくのがすごく不思議でこれまでに経験のない展開。

89のクリスタルに続いて、ハノイで見つけたヴィンテージ・シャンパーニュですが、軍配はクリスタル。しかしこちらのドンペリも生きてて良かった。


メモ
1985 CHAMPAGNE CUVEE DON PERIGNON MOET ET CHANDON
ハノイのAにて104.55usdで購入