1995 キャンティ・クラシコ・リゼルヴァ "ランチア" フェルジーナ

2003/10/22
"RANCIA" FELSINA
初日
ムラサキや黒を帯びた濃いルビー。縁の方にわずかに透明な感じあって熟成を感じる。ただ、粘性も大きく、「もうちょっと待ってよ」と言われているような外観。
香りはやわらかいベリー系の香りが力強い。表面的な香りの出方ではなく、樽香がしっかり溶け込んでいて力強い。味わいはふっくらとやわらかい口あたりながら、果実の甘さときめ細かいタンニンが最高で、口の中が大きくおいしさに満たされる。余韻は長く、ずっしりとしているが、キャンティらしい酸が顔を出して心地よくまとめあげる。ほんとに「らしい」酸。
いやー、うまいっす。キャンティ万歳。キャンティの素晴らしさのすべてがここにある。最も感銘を受けるのは香りの複雑さ。カカオのような、チョコレート工場のような(恐らくほとんど誰もピンとこないと思うが、板チョコの工場は決してチョコの甘い香りではなく、原料のカカオのむせ返るような香りがします。)、そういった生々しい香りやレバーのような血っぽい香りなど、果実香以外の香りの種類の多さがすごい。それらの香りと黒系〜赤系のベリーの香りが出入りする。明日も楽しみ。
2日目
初日の香ばしいカカオ香と心地よい酸が後退して、ブルーベリーヨーグルトのような甘くて渋いワインに収束。思ったより持続性に欠ける感じがするが、今がちょうど飲み頃ということかもしれない。この先2、3年が飲み頃と思う。合わせて料理した乾燥トランペット茸の香りにあまりに似ていて笑ってしまう。どちらもブルーベリー風味の乳酸菌飲料の香り。
2日目の印象はちょっとだけ残念なものだったが、それでもこの値段でキャンティの素晴らしさが満喫できて満足な1本でした。


メモ
1995 CHIANTI CLASSICO RISERVA "RANCIA" FELSINA
東京のHで購入2680円。