2001 ネッビオーロ・ダルバ "パリージ" マウロ・セバステ

2004/2/19
NEBBIOLO D'ALBA PARIGI
初日
バルベーラやソーヴィニョン主体のこの白など、最近発見したお気に入りの造り手のネッビオーロ、大いに期待して。
外観はクリアなルビー。ムラサキが入っていて、ふちの方へはガーネットのグラデーションが見えるが、全体の色合いは澄んだ透明感のあるルビー。粘性もわりとしっかり。
はじめに感じる香りはカカオやチョコ。丸くて甘くてわかりやすい香り。すぐにピュアな赤系の果実香が優勢になって、上品にグラスから立ち昇る。加えて濃い緑茶のようなちょっと乾いた甘い香りも。こういう種類の香りを赤ワインに感じるのははじめて。若いピノ?って感じの硫黄っぽさもほんの少し。ほんとにこの造り手のワインはどれも香りがいいですね。人懐っこい甘い香り以外に複雑さを演出する様々な香りがあって非常に多面的。
味わいはさらっとソフトで、タンニンがきれいに溶け込んだおいしい甘さにうれしくなる。口あたりがなめらかすぎて第一印象は若干シンプルに感じたりもするのだが、飲み込んだ後の余韻が素晴らしく心地よい。ザラッとしたいい感じのタンニンとアルコール感。特に「整えられた」感のあるタンニンが非常に心地よく、余韻に締まった印象を与える。おいしいっす。これはかなりおいしいっす。過去のどんなワインに近いか?となると・・・過去に飲んだネッビオーロのどのワインでもなくて、サッソ。このカンパーニャのアリアニコですね。これをすべての面でワンランクアップさせた感じといいますか。特に味わいと余韻の奥行きはだいぶ格が違う感じ。ブラインドで飲んだら、ひょっとしたら「超モダンなブルゴーニュ?」とか言いそうなぐらいに繊細で奥行きのある赤です。悪く言うと「ややわかりにくい」のだが、そのわかりにくさとおいしい甘さのバランスが最高。
いやー、この造り手は本当に期待を裏切らない。この赤は買い占めたいぐらい。
2日目
丸い味わいになってやや迫力が後退した感じ。良く言えばおおらかな味わい、悪く言えばモノトーンな味わい。初日のおいしさは衝撃的ですらあったが、おいしさの持続力という点ではちょっと物足りないかな。
3日目
まるで良質のキャンティのような繊細さが出現。これはちょっと驚きです。物理的にいえば「酸化しただけ」ということになるのでしょうが、そのことによってカカオパウダー入りキャンティのようなおもしろい味わいに変化してしまっている。
厳密に言えば、CP的にはこちらのバルベーラの方が少し上かもしれませんが、ネッビオーロをこんな風に飲みやすくおいしく仕上げたのはスゴイと思います。


メモ
2001 NEBBIOLO D'ALBA "PARIGI" MAURO SEBASTE
神戸のRBにて2790円で購入
こちらの赤はアルコール度数13.5%