2001 バルバレスコ・リゼルヴァ ”アジリ” プロデュットーリ・デル・バルバレスコ

2011/3/5
ASILI
初日
2000ヴィンテージで非常に好印象だった銘柄。それを上回るヴィンテージと言われる2001は、さて。
外観は黒みを帯びたガーネットで、縁の方に熟成を感じるレンガ色。香りは少し大人しめでイチゴやシナモンなどの繊細なスパイス、ドライフラワー。 非常にキメ細やかな、たくさんの要素を持った香りですが、強さという点では、このワインの実力が100%発揮されていない感じが。
味わいはミネラリーで硬質なタンニンと果実味、ググッと中盤においしい果実のふくらみがあって、さらりと美しい余韻へと続く。 果実味の濃さと陰影が、並のネッビオーロとの差ですね。先日出会ったロエロのこちらのワインと近いものを感じたりしますが、 果実味と陰影のヴォリューム感はまったく別物です。
飲み干すのがもったいないというタイプではなくて、ついつい飲みすぎてしまうタイプの赤です。そういう意味では、ここの一連のクリュ・シリーズ としては、力強さに欠ける印象もあります。贅沢な話しですがね。
2日目
香り、味わいに初日との差異はそれほど感じません。やや物足りない印象なのは、期待が大きすぎたからかもしれません。 7割方飲んだあたりから細かいオリがたくさん出てきて、ちょっと飲みにくい。こちらの造り手ではこれまで出会ったことのない体験。 グラスに注ぐ際に慎重な取り扱いが求められます。

もっと妖艶で軽やかに香るワインを期待していましたが、やや大人しかった。もう少しの熟成でそういった姿に変身していくのでしょうか。 あまりそんな気がしないのですが、ひょっとするとひょっとするかもしれません。

2012/12/28
ASILI
上で1年9ヶ月前に飲んで以来の再会。2本同時に購入していたもので、ロットナンバーも非常に近いのですが、 さてこちらはどんな感じでしょう。
外観は透明感と照りのあるルビーガーネット。縁の方へレンガ色のグラデーション。
香りは完熟ベリーにシナモン的な乾いたスパイスが重層的に感じられる。果実香と熟成からくる香りのバランスがあいかわらず素敵。
味わいはしっとりと軽やかに果実味が広がり、乾いたタンニンが、旨味や複雑さを演出する。そして、素晴らしいのが、その後の余韻! 飲み込んだ後にぶわっと押し戻してくる芳醇な香りとアルコール感がたまらない。その瞬間、食事の動作を思わず一時停止してしまう。 普段の食事の中では、このレベルのワインは存在感が突出してしまいます。余韻の豊かさという点においてだけでも、明らかに、 1年9ヶ月前のボトルより飲み頃だという感じがしますね。
それにしても、この造り手のこのラインは、期待を裏切らず、非常に安定しています。今年の締めくくりのワインにふさわしい出来でした。

2001 BARBARESCO RISERVA "ASILI" PRODUTTORI DEL BARBARESCO
Proprietari dei vigneti Conti,Giacosa,Viglino.
東京のKにて5280円で購入