1995 リシュブール ジャン・グロ

2008/7/31
RICHEBOURG GRAND CRU JEAN GROS
初日
芯まで透明感のある、全体にレンガ色を帯びた薄めのガーネットな外観。粘性もそこそこあって。
香りは温度低めの時は梅やカラメル、紅茶、香水などの揮発感のある、重心の高い香り。温度が上がるにつれ、樹脂系の香りやセメダインのような香りもしてくる。外観と香りだけからは、軽い味わいかなと思っていましたが・・・
口に含むと、トロリとした赤系の果実味が口の中に広がって、しっかりした酸と甘い果実味が口の中を満たす。風船が膨らむようなこのニュアンスは最上のピノにしかみられない特徴。最近のワインではこちらのクロ・ド・ラ・ロッシュ
余韻がまた強力で、アルコール感と共にボワンとヴォリュームが広がり、胸全体が暖かくなるほど。梅酒のような甘いニュアンスと、長い長い余韻。
2時間ほど経過。
まるで時間を遡るかのように、若いブルゴーニュのような詰まった香りに変化してくる。味わいもタンニンが感じられるようになり、香りのゴムっぽいニュアンスと共に、このワインの核心への扉がススッと閉じていく感じ。この変化は驚きですね。まだまだ熟成して違う姿を見せるということでしょうね。グランクリュというのはすさまじいものです。
2日目
低めの温度から、初日よりも格段に濃い香りが立ち昇る。味わいは変わらずにネットリしたウェットな果実味。どこかにクールな表情があって、少し冷やしたイチゴのゼリーのような、なんともいえずおいしい味わい。余韻の前後、非常に緻密で濃密な雰囲気がするのがあまり経験のないワインですね。どこにもスキマがないというか、おいしさが途切れないというか。
頂上のブルゴーニュの味わいですね、これは。こちらのクロ・ド・ラ・ロッシュのような土っぽさや繊細さ、こちらのロマネ・サン・ヴィヴァンのような球体の果実味、様々な要素が複雑に入り混じっています。そして、まだまだ熟成が期待できそうですね。


1995 RICHEBOURG GRAND CRU JEAN GROS
神戸のIにて19800円で購入