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2003 ピノ・ノワール マーティンボロー ペンカロウ |
2007/10/9![]() 初日 ハノイのレストランでシャルドネに出会って以来の再会。 照りのある美しいルビー。少しムラサキや黒みがあって、濃い目のブルゴーニュ風。香りは温度低めの最初の段階ではリンゴの芯のような植物的な香りが優勢で、温度が上がるにつれてしっかりと甘い赤〜黒系のベリー香が現れる。スミレ、プラム、タバコやゴム足っぽいニュアンスもあって、奥行きのある香り。 味わいも温度によって違った表情を見せ、低めではキリッとミネラルのある凛としたたたずまいを見せ、高めではニュージーらしく継ぎ目のないなめらかで豊満な果実味が口いっぱいに広がる。余韻のきめ細かさはこの価格の赤としては特筆すべき出来栄え。ブルゴーニュを基準にしてしまうと、どうしても酸が低くて単調な表情に感じてしまいがちですが、変に甘い方向に振らずにニュージーらしいピノということはいえると思います。最近飲んだロブレ・モノのブルゴーニュなんかと飲み比べると面白い体験になると思いますね。 2、3日目 温度が上がってからの香りがすごい。むせ返るような濃いスミレやブラックベリーの香りがムンムンと立ち込める。このスキマを見せない香りはニュージーらしいと思う。 あと必要な要素は酸と軽やかさ。上質のブルゴーニュのピノはシルクに例えられるように、つなぎ目のない確かな構造と軽やかさという一見相反する要素をバランス良く持っているもの。つなぎ目のない厚ぼったいワインは簡単に造れそうですし、逆にスキマがあるのはピノに期待する特質としてふさわしくない。このワインももう少し果実味のいい意味での薄さがあれば良いと思います。なんとなく思いついたのですが、たぶん、極上の小籠包とそうでないものとの差異に似ているような気がします。 |
2003 PINOT NOIR MARTINBOROUGH PENCARROW 神戸のNにて2500円で購入 |