1994 ヴィーノ・ノーヴィレ・ディ・モンテプルチャーノ リゼルヴァ アヴィニョネージ

2007/9/14
VINO NOBILE DI MONTEPULCIANO RISERVA AVIGNONESI
初日
コルクにスクリューを差し込んで、少し引き抜いたところですごい香りが立ち込める。これは初めての経験。そして良質のコルクで期待が膨らむ。
外観はしっかりしたエンジ色でふちの方に薄いグラデーション。オレンジっぽい感じはあるが濁ったところは一切なく、13年前のヴィンテージとは思えない新鮮さを感じる。。
香りは超発散系の完熟サンジョベーゼ。あまりにもたくさんの要素が細やかに散りばめられていて表現が難しいが、完熟のいちぢくや腐る前のイチゴ、森の中のいろいろな香り。腐葉土とか、朽ちた新鮮な木とか。とにかくしっとりした森の中の香りがしますね。乾いた系ではなくて、しっとり系。
味わいはしなやかなタンニンが果実味とともに広がる若々しい味わい。まったく枯れたニュアンスがなくて驚いてしまう。タンニンもざらつくことなく、しっとりとしている。それが長い余韻にも寄与していて、高いアルコール感とともに舌の上に香りが残って、そして長く長くその香りが続く。
以前に飲んだ93のグランディ・アナーテと非常に良く似た全体像だと思いますが、こちらの94の方がしっとりとしたニュアンスを多く感じる分だけ一枚上手ではないかとさえ思います。香りの飛距離はフリーニのブルネッロを思い出させるものがあり、そのインパクトが味わいから最後の余韻に至るまで一貫していることにも驚きます。これは掛け値なしに素晴らしい1本。
2、3日目
さすがに初日の勢いは陰りを見せて、酸化した甘苦いニュアンスをたたえるようになる。下り坂のサンジョベーゼの味わいを久々に経験。
最後の飲み頃ぴったりで開けたという気がしますね。この造り手は長熟できるポテンシャルを常に備えていると思います。とにかく、すばらしい経験をさせていただきました。


1994 VINO NOBILE DI MONTEPULCIANO RISERVA AVIGNONESI
大阪のCにて5700円で購入