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1999 バローロ "カンヌビ" パオロ・スカヴィーノ |
2006/3/19![]() 初日 明るい透明感のあるルビー。ふちの方にはガーネット。中心に少し黒みもあるが、基本的にクリアで澄んだ色合い。粘性はすごい。細い脚。香りははじめはカカオやシナモン、バニラ、牛乳をこぼしたあとにモップがけした時のような香り。とにかくアルコール感がものすごくて、鼻の奥にスッと届くその揮発感はまるで洋酒のよう。時間が経つにつれて徐々に丸い果実味を感じるようになる。きれいに熟したイチジクやバラのドライフラワー。 味わいは膨大なタンニンがびっしりと巨大な果実味に埋め込まれているような、壮大なスケール。ふりそそぐ太陽や過抽出の濃さではなくて、とにかく果実味が巨大で濃い。ボディブローのように低くから響く余韻。たぶんまだ飲み頃には達していないのだと思いますが、この仰ぎ見るような立派さは半端ではない。数時間経つと十分に変化していくところから考えても、単にガチガチのワインではない。そういう意味で長期熟成が義務付けされたバローロらしさが垣間見れる。まぁとにかくすごいワイン。 2日目 ふわっとチョコの香り。牛乳っぽさが消えた以外はスパイス香もあって初日の香りをキープ。全体に丸くなって豊満な印象に変わってきた。味わいはビシッと整ったタンニンと甘苦いカカオ。はちきれんばかりの詰まった果実味はちょっと緊張感すら強いるほど。マッセート95を思い出させる堂々とした味わい。 5日目 酸が見えてきて、クラシカルなバローロといった味わいに収束。最後の方はボルドー古酒のように妖しく濁った澱。 ものすごいパワーを持った高品位なワインですが、このバローロのような熟成の仕方をするかどうか。ちょっとそういう気はしないですね。今すぐにゆっくり楽しむのが一番贅沢な飲み方のように思います。 |
メモ 1999 BAROLO "CANNUBI" PAOLO SCAVINO アルバのF&Bにて52.2EURO(約7450円)で購入 |