1996 レ・ペルゴーレ・トルテ モンテヴェルティーネ

2004/4/26
LE PARGOLE TORTE MONTEVERTINE
初日
クリアなルビー色。縁の方へガーネットのグラデーション。香りはうれしくなるような甘いイチゴ系の香り。発散するようなタイプではなくて、カチッと輪郭が決まっていて、グラスに鼻を近づけるとそのまま身動きがとれなくなってしまうような、そんなおいしそうな香り。ブルゴーニュみたいなやわらかい香り。最近飲んだデュガみたい。
味わいはサンジョベーゼらしいザラッとしたタッチがおいしい。味わいの1番の特徴は鉄っぽいニュアンスと思う。グラスに何か金属片でも沈んでいるんじゃない?という感じ。時間がたつと徐々にそのニュアンスが消えてミルキーでしっとりした味わいに落ち着いてくる。
うーん、おいしいですよ、これは。素晴らしい熟成ぶりです。
2日目
ぶわっと発散する香り。イチゴやバラのような華やかな香り。最近ではフリーニのブルネッロで感じたような、熟成のピークにある妖しい香り。味わいは昨日の鉄っぽさが完全に消えていて、なんともいえない旨み成分が口の中をみたす。一言では言い尽くせない複雑な旨みだが、なぜかカツオや昆布の和風な味がする。
単なる果実酒から偉大な液体に昇華した、そういうことを考えてしまうすばらしい体験。早飲みするとおそらくミネラル感が硬くて果実味の薄っぺらい味わいだと想像するが、長い時間をかけてそれらが溶け合うと、こういう味わいに昇華するんだとわかったようなことを考えてしまう。


メモ
1996 LE PARGOLE TORTE MONTEVERTINE
ローマのエノテカにてL.72500(約4200円)で購入
アルコール度数13%