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1998 シャルドネ ティアーズ ペタルマ |
2003/9/5![]() 輝きのある濃いめの黄色。でも意外と透明感があって、濃すぎないきれいな色。金や赤の色合いは見られない。粘性もほどほどで。 香りはグレープフルーツやレモンなど黄色系のフレッシュな果実香と、桃や洋ナシのようなネットリ系の甘く熟れた果実香。それに加えてレンゲのハチミツのような爽やかな甘い香り。香りの粒子が細かく繊細で、風通しのよい心地よい香り。このマコンに感じたような、いい意味での軽やかさを感じる。 味わいは抵抗のない口あたりで、やわらかい果実の甘みが口の中に広がる。これは素直においしい。このわかりやすい甘さはトリニティ・ヒルのシャルドネを思い出させる。確かに酸に欠けるという印象もあって、新世界的なトロピカルな甘さが味わいの主体となっているのだが、でも威圧感がなく、余韻に伸びがあり、飽きさせずに楽しませてくれる。新世界の白にありがちなバターやバニラの重いニュアンスがほんの極わずか、必要最小限の量しかなく、キチッと縦線が通っている風。重くならないこの味わいが何に由来するのかよくわからないが、ブドウの質はもちろん、おそらく発酵の技術的な部分も大きいと思う。余裕すら感じさせる、はったりのない上品なワイン。 南半球でもこのような繊細さで魅せるシャルドネがある、ということに新鮮な驚きを感じる。どんなパワフルなシャルドネかと期待していただけに、「驚きCP」的には物足りない感がなきにしもあらずだが、それは開ける前に少々構えていたところがあるからで、これはこれで完成度の高いすばらしいワインです。「さらっと造ってみたらこんなの出来ました」というような肩の力が抜けた品位を感じる。 |
メモ 1998 CHARDONNAY TIERS PETALUMA PICCADILLY VALLEY ロンドンのBBRで購入£36.55(約7310円) アルコール度数は13.5%と控えめ。 裏ラベルには2398の番号入り。 |