1993 ヴィーノ・ノーヴィレ・ディ・モンテプルチャーノ "ヴィネート カッジョーレ" ポリツィアーノ

2002/10/22
VIGNETO CAGGIOLE
初日
よく熟成させたボルドーの上モノのような貫禄のあるコルク。ちょっと染み出してきていて、 コルクを抜く前からバルサミコのような香りがしている。
グラスに注いだワインの中心は濃いルビー。エッジは透明で中心からきれいなグラデーション。 粘性がすごく高い。
繊細で心地よいベリー香がただよう。サンジョベーゼ万歳!って感じ。 ただ、94よりも香りが開いておらず、まだまだしっかりしている印象。 それでも口あたりのやわらかさと心地よいタンニンが文句なしにおいしい。「ギュイッ」と締め上げるよう なキツいタンニンではなくて、「ギュッ」という心地よい感じ(何だかわからん表現だが)。 ちょっとカマルティーナを思わせるほどの内容。そしてバニラアイス のような爽やかな香りがペルカルロの96を連想させる。 やわらかい果実味と余韻を引き締める上質の酸とタンニンが最高のバランス。
徐々に果実味が遠くに行って、タンニンと酸が優勢になってくる。このサントネー のようなりんごの芯や茎の感じが出てきた。急激な変化。もうちょっと置いた方がいいのか、 94の方が出来がいいのか。明日はどうなる。
2日目
タンニン、酸ともに落ち着いて、りんごの芯や茎の香りがやわらかくただよう。 果実味が遠くへ行ってかなり"へたった"印象。味わいの持続力という点では明らかに 93<94だが、抜栓直後の立体感あふれる味わいは93>94。このワインは期待を裏切らない。

2003/10/18

あいかわらず濃いルビー。中心は黒みを帯びている。香りはブルーベリーのような甘い果実香としっとりとした熟成を感じるミルキーでインクっぽい樽香。1年前に飲んだ時に感じたサンジョベーゼらしいベリー香が感じられず、ボルドーの若いワインのような、ホットミルクっぽい甘い香りに少々とまどう。
味わいは真ん丸に溶け込みまくったタンニンが果実味と一体感を成し、こじんまりと愛らしい。様々な要素がやや弱くなって一体化し、下降線をたどり始めている印象を受ける。サンジョベーゼ独特のザラッとしたタッチが感じられないのが残念。もう少し先にも危うい香りと味わいが楽しめそうだが、そろそろ限界ということかな。

メモ
1993 VINO NOBILE DI MONTEPULCIANO
VIGNETO CAGGIOLE
POLIZIANO
神戸のKで購入2800円