1971 グラン・コロナス・リゼルヴァ トーレス

2010/9/10
GRAN CORONAS RESERVA TORRES
初日
非常にもろいコルクで、いつものスクリューではうまく抜けず。パニエに寝かせて、ビンの内側にこびりついたコルクをかき出して、なんとか抜栓に成功。
その作業中、ただよう確かなアルコール感に、これはワインとしてひとまず大丈夫だという手ごたえを感じつつ、グラスに注ぐ。
外観は茶色を帯びた濃い目のルビー。照りもあり、まったく老いを感じさせない外観。縁の方には若干の透明感はありますが、ポートのようなアンバーな透明感で美しい。
香りは漢方薬のような個性的な香り、その向こうから悠然と押し寄せるオリーブやプラムなどの黒系果実の香り。ワインとしてしっかり生きているだけでなく、深遠で 複雑な香りを放ちます。八角や、シナモン、タマリンドのような妖しい香りが煙で燻されるように立ち昇り、骨格にはしっかりとした果実香が。
味わいは香りと同様に漢方薬っぽさを感じてから、ググッと完熟南方果実の妖しい味わいが広がります。ドライフルーツのニュアンスのような気がしますね。 ナツメとか。

それにしても、これは素晴らしい香りですね。71のワインといえばこちらのボルドー以来ですが、果実感が断然こちらの方が上であるだけでなく、 熟成による妖しさが凄いです。
開ける前までは、ワインであるかどうかが勝負、そんなレベルの”賭け”でしたが、意外や意外、赤ワインとして老いをまったく感じないという素晴らしい体験でした。 これから先、まだ、何年も熟成を続けると思います。
3日目
4分の1ほど残して3日目、驚くべきことに漢方薬っぽさが後退して、果実味がしっかりと前面に出てくる。これは素晴らしい。古酒だという先入観なしにブラインドで飲んだら、 何と答えるでしょうかね。10〜20年ぐらい熟成した、ボルドーかカリフォルニアのカベルネ、そういう答えになるような気がします。

スペインの赤では最近はアリオン96に衝撃を受けましたが、こちらのワインも素晴らしいです。感動的ですらあります。


1971 GRAN CORONAS RESERVA TORRES
オークションにて4100円で購入