2001 ティニャネッロ アンティノリ

2005/9/18
TIGNANELLO ANTINORI
初日
しっかりと濃い紫を帯びたルビー。中央は黒っぽい。香りは低い温度から濃密な果実香が立ち上がる。カシスやブルーベリーなどの黒系果実。それに新樽からくるミルキーな香り、カカオ、チョコ。牛乳っぽさ優勢ですが、閉じたという所がまったくなく、積極的に香る。シチリアのロッソ・デル・コンテを思い出したりして、サンジョベーゼらしさを探すのはちょっと難しいですが、とにかく密度があってすごい香り。
味わいはするっとした果実味が文句なくおいしい。塗りこめられたような均質なタンニンが有無を言わさずに襲いかかってくる。あまりに濃密なためにとろみを感じるほど。カシスチョコレートエキスを飲んでいるような気になる。
余韻のアルコール感もすごいですね。果実味がしっかりしていてさらっと飲めてしまいますが、後からすごいアルコール感がどかんと波が打ち寄せるように迫ってくる。

香りから余韻に至るまでまったく無理がなくてバランスがよく、完成された赤ワインという感じ。いやみなほど優等生的でこういうのがインターナショナルなワインというのかな、というのが正直な感想。莫大な投資でこの品質のものが毎年大量にキャンティ地区から産出されているかと思うとちょっと工業製品的な気もして、さみしくなったりしますがね。
2日目
均質な味わいはそのまま、まったくブレるところがないのはすごいと思いますが、どこか抜いたところがほしいですね。
ブラインドで飲んだとして、おそらくサンジョベーゼが入っていることに気づかないと思う。新世界のカベルネとメルロのブレンド、そういう感じがします。贅沢な話ですが、トスカーナの赤ワインに求めるものとは違うかなぁ。


メモ
2001 TIGNANELLO ANTINORI
ハノイのGにて869,000VND(約6080円)で購入