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1985 シャトー・カデ・グラタドゥール |
2005/4/30![]() デカンタされて登場。ふちの方がわずかにガーネットを帯びた赤みのルビー。照りがあって濃くなく薄くなくきれいな外観。粘性も高い。 香りは赤系果実のリキュールのような純度の高さを感じる力強い香り。揮発感もあってうっとりする。メルロのおいしい香りを抽出したようなわかりやすさ。複雑さで魅せるというよりは果実香のヴォリュームに圧倒される。 味わいは非常にソフトなアタックでぬるりと口の中に広がって、おいしい甘みが口の中を満たす。少なめながら適度に酸もあってべたついた印象にならない。若々しくておいしいタンニンがふくよかな果実味にコーティングされている風。余韻の長さも素晴らしくて、いつまでも口から食道にまとわりついて離れない。粘性の高さと温度高めでサービスされたことも影響しているかもしれない。2杯目、3杯目とその都度若々しい果実味がリセットされる。香りもどんどんと開いてきて、風船がふくらむようにヴォリュームを増していく。 とても20年前のヴィンテージとは思えない若々しいワインでした。ようやくこれからが飲み頃なんだと思います。引き込まれるような魅惑的なベリー香、なめらかで粘りのあるおいしい果実味が印象的です。さすがにボルドーですね。最近飲んだトスカーナのメルロ、例えばレディガッフィ なんかとの共通点も感じますが、このワインのようなしなやかさは望むべくもなく、完成度のレベルが違う。ずいぶん前に飲んだアヴィニョネージのメルロの方が近いかな。これまで飲んだ右岸のボルドーでは断然トップの1本でした。 |
メモ 1985 CHATEAU CADET-GRATADOUR SAINT-EMILION 福岡のBにて20000円の予算で。 |