1998 サッシ・グロッシ ティチーノD.O.C メルロ ジアルディ

2004/8/2
SASSI GROSSI
初日
濃すぎないきれいなルビー色。赤っぽい。縁の方は透明感も。香りはムッとくるほど湿った土臭い香り。ケモノ臭いというのか、ほとんど経験がない個性的な香り。メルロの香りの表現に「カブトムシ」という言葉を見たことがあるが、まさにそんな感じ。小さい頃スズムシやコオロギを飼っていた、あの飼育箱の中の香りを思い出したりもする。
味わいはメルロらしい果実味がおだやかに広がり、香りの強力な個性からすると飲みやすい。モダンなメルロによくあるような果実味のカタマリの味わいではなくて、風通しのよい、地に足のついた味わい。余韻は力強く、非常に長い。ここでも踏ん張り感のあるたくましさが印象的。
メルロ100%のワインを飲むことはあまりないですが、それでもこれは全然経験のないメルロ。おもしろいです。
2日目以降
昆虫っぽさが後退して腰の強いメルロという感じに収束。特別に味わいが濃いというわけではなくて、例えばガラトローナやレディガッフィ、リコルマなどのモダンなメルロに共通する圧倒的な凝縮感はない。幹が一本しっかりしていて、そこからいろんな枝葉が伸びているような、そんな構成を感じる。メルロを通して土地の味を表現している感じ。それと、なんともいえない妖艶さを感じるのは見知らぬ地のメルロという意識が作用しているのかもしれない。
いずれにしても変化球ですね、このメルロは。丸くてフルーティな一般的なメルロの良さが見えにくいという意味において。ここのエノテカでは他にこの白も購入しましたが、どちらも店員さんに薦められて選んだもの。はっきりいってひねりすぎですよね。マニアックすぎます。


メモ
1998 SASSI GROSSI TICINO D.O.C. MERLOT GIALDI SA-MENDRISIO
ミラノのエノテカNdVにて54.8ユーロ(約7180円)で購入
スイスの南端ティチーノ州のワイン。ぱっと見は完全にイタリアのワイン。