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1993 バローロ "カンヌビ・ボスキス" ルチアーノ・サンドローネ |
2004/5/13![]() 薄い赤みを帯びたルビー色。セラーから出してすぐの温度にもかかわらず、あたり一面に妖しいイチゴ香がたちこめる。ブルゴーニュを思わせる。すっかり乾いた枯葉やドライフラワーのような熟成香。キノコとかそういう湿度の高い方向の熟成香ではなくて、乾いた感じの香り。シナモンのような粒子の細かいスパイス香。最近ではフリーニのブルネッロをもっと清潔にしたような。 スルッと口の中に広がる渋みのある甘み。やっぱりピノっぽい。やさしい甘さと渋さに加えてネッビオーロらしい金属っぽい芯の強さを感じる。余韻はそれほど長くはない。すぐに次ぎを飲みたくなるようなタイプの余韻。 やさしくて懐の深い味わいのワインですね。威圧的でなく、全体を簡単に見通せるようでいて、実はいろいろな要素を含んでいる。アルコール感が想像以上に弱く、正直言ってちょっとピーク過ぎな印象もあるが、それはコンディションの問題か、ひょっとするとグラスに注ぐまでの過程でもっと丁寧に扱わないといけなかったのかもしれない。ほんの少しアルコール感があればいい感じにバランスするように思うのだが。 日本ではそうそうお目にかかれるワインではないが、いつかまた違うヴィンテージで再会したい。 |
メモ 1993 BAROLO "CANNUBI BOSCHIS" LUCIANO SANDRONE ミラノのエノテカRにて81ユーロ(約10530円)で購入。 |