1992 ラッパリータ カステッロ・ディ・アマ

2003/9/5
L'APPARITA  CASTELLO DI AMA
初日
50mmを軽く超える、長くて良質のコルク。裏にはビシッとムラサキ色。
ワインの外観は少しムラサキの入った濃いルビー。黒っぽい。縁が少しだけ透明になりかかっているが、ほとんど熟成の様子は見られない。粘性もかなり。
香りは小豆やカカオ、黒系果実の締まった香り。遠くに感じる甘い香り。土っぽさや白カビのような熟成香もあり、何かが突出することなく、かなり複雑。ただ、期待していたほど発散的、官能的な香りではなく、樽に由来する木質な香りが優勢で、やや果実味が弱いかなと。ものすごい樽のニュアンスをがんばって受け止めてはいるのだが、ちょっと重い香り。
温度低めでスタートした初めのうちは酸と樽の渋みをダイレクトに感じる難しい味わいだったが、温度が上がるにつれやわらかな味わいに。最初に口の中にひろがるソフトな感覚(ただしその密度感はすごい)に熟成したメルロの良さを感じる。そして余韻の長さ!なんともいえず、たゆたうように続く余韻にようやくこのワインのポテンシャルを感じさせる。
2日目
ますますやわらかな香りに変化。甘いベリー香を感じやすくなった。昨日感じたとんがった渋みは消えた。香りにも味にも感じる甘苦いニュアンスはまるでバルサミコのよう。こんなにバルサミコを直接的に感じるワインも初めて。

満を持して、という感じで開けてはみたものの、答えは「もう少し熟成が必要かも」。現地からのハンドキャリーということが状態の維持に貢献しているのかもしれないが。非常に精緻に造られたワインだということはわかるのだが、それに応える果実味にやや不足しているのかな。ポモロッソエレジアの「樽>果実味」な感じを思い出す。ま、92はトスカーナではいわずと知れたオフ・ヴィンテージなので、開け頃が難しいということでしょうか。



メモ
1992 L'APPARITA CASTELLO DI AMA
ローマのエノテカで購入L.300000(約17070円)。