1999 クロ・ド・ジョゲロン

2002/12/13
CLOS DU JAUGUEYRON
ムラサキの入った濃いルビー色。樽香の効いた今風の甘い香り。カシス。 揮発感があまりなく、ひたすら甘い香りがする。そして妖しい(派手な)花のような香りも。
口あたりはなめらかで、どこにも引っ掛かるところがなくおいしい。 しかし、なぜか妙な余裕と非常に人工的な技巧を感じてしまう。
理屈抜きにおいしいと思うが、この洗練された(単純化された?)おいしさの どこにボルドーらしさがあるのかということになると、よくわからない。 甘さとタンニンのやわらかさはカリフォルニアのカベルネ・メルローブレンド を連想させる。このワインにアルコールの心地よい揮発感と適度な酸を加えて立体感を出すと、 スピネッタのピンに近くなるような感じ。
うーん、確かに甘くておいしいが、あまりにも現代風でちょっと不満。最近の一般的な 嗜好はこういう方向かもしれないが、例えばインシグニア ぐらい突き抜けるとすばらしいと思うが、やっぱりああいう圧倒的なものは小手先では 造れないというごく当たり前な結論に。
でもまぁこの値段だし、贅沢は言えませんかね。


メモ
1999 CLOS DU JAUGUEYRON
HAUT-MEDOC MICHEL THERON VITICULTEUR
大阪のNで購入2860円
カベルネ・ソーヴィニョン60%、メルロ25%、プティ・ヴェルド10%、カルメネールその他5%