1996 ”ロッソ・カストレ” ランゲD.O.C. ガスタルディ

2007/1/25
LANGHE D.O.C. ROSSO CASTLE GASTALDI
中心は少し黒味を帯びたガーネット。ふちの方はレンガ色からオレンジ色に至るグラデーションがあって、完全に熟成を経た赤ワインの外観。
香りはモワッと牛乳雑巾、白カビチーズの香り。朽ちた木とか、そういう森の中の雰囲気もほんの少し。乾き腐って香りがほとんどなくなってしまった赤系果実のニュアンス。世の中には”いい香り”というわけでは決してないのに、その臭さが好きになるものってあると思いますが、そうとしか表現しようのないものがこのワインの香り。思わず2回、3回と何度もグラスに鼻を近づけてしまう。
味わいは、か細く枯れたわずかな果実味に、微粒子の乾いたタンニンがサラサラと口の中を流れる。アルコール感は極小ですが、何故かヴォリュームというか、不思議な満足感のある繊細な余韻。
鉄っぽさとか乾いた果実味とか、そういう熟成したネッビオーロの姿をもう少し期待していましたが、しかし元々が大きな造りのワインではないということでしょうね。キレイに枯れていく途中の最期のネッビオーロ体験としては貴重なものでした。


1996 LANGHE D.O.C. "ROSSO CASTLE" GASTALDI
福岡のRにて8925円で購入