1990 ドン・ペリニョン モエ・エ・シャンドン

2005/4/2
DON PERIGNON MOET ET CHANDON
意外に薄いレモンイエロー。ほんのわずかに茶色っぽい。非常に細かい泡が無数に溢れ出る。香りはレモンやナッツ、パンのようなイースト香。それぞれに磨き抜かれた純粋さがあって、バランスよく奥ゆかしく香る。味わいは熟成を感じさせないフレッシュな黄色系の果実味がいっぱい。レモンやグレープフルーツ。そして最も印象的なのは余韻の美しさ。さらりと消えるように、でもほんの少しだけおいしさが口と鼻のまわりにただようような、そんな上品な余韻。
普通のピチピチしたシャンパンとはもちろん品格が違うし、かといってクタクタな漬物っぽさも皆無。それはやはり良年の偉大な銘柄ということなんでしょう。まったく奇をてらうことなく、素直で懐の深い印象的な1本。

"いわゆるドンペリ"をみんなで開けようという会でしたが、確かに安定感があって、シャンパーニュの最高峰を味わう貴重な体験でした。ただ、やはりこういうワインを飲んで思うのは、ドンペリという名前を飲むのが目的で開けられるべきではなくて、数年に1度あるかないかの最高のシチュエーションでレストランやバーでいただくか、または「ドンペリは普段良く飲みます」って言えるような大富豪か、どちらかの人のためのワインではないかと。ノンヴィンテージのシャンパーニュの味わいのずーっと先のこのワインがあることは理解できましたが、理解するために開けるワインではないと、つくづく考えさせられる体験でした。
(ま、おいしく楽しく飲めたからいいか)



メモ
1990 CHAMPAGNE CUVEE DON PERIGNON MOET ET CHANDON
東京のKにて9900円で購入